フジテレビよりもやばい、農林中金の1.5兆円赤字
農林中央金庫というのは、農業協同組合(JA),漁業協同組合(JF),森林組合(森組)等の出資による協同組織の全国金融機関です。
JAバンクと農林中央金庫の違いは
JAバンクという銀行は実在しません。JAバンクグループの名称のことなのです。このグループは農協(JA)・信連・農林中央金庫です。JAが組合員、準組合員から金利をつけて預金を集めます。その集まった預金に金利をつけるためには運用しないといけません。預金を運用するのが農林中金です。この運用に失敗しました。
1.5兆円の赤字の原因
運用ミスです。農林中金の運用の多くは外国債権に頼っています。安全な運用がメインですから、株式などよりも債権の方が安全です。会社は潰れますが、国はそう簡単には潰れません。2022年頃からアメリカの金利が上がり始めました。債権は金利が高ければ価値が上がります。農林中金は金利が安い債権を多数保有しているので現在の債券では含み損がでます。バーゼル規制(自己資本比率規制)のため、売却せざる得なかったようです。売却の時期のミスもあったのでしょう。運用のプロがいないところが問題でした。債権メインだからということもあったのかもしれませんが運用額が数兆円規模です。運用のプロが何人もいないといけないようなところです。法律上の問題もありますが、運用ミスは痛いですね。債権なんて満期まで持てば元本は保証されるのにそんな急に売らなければいけないもんなんですかね。単に金利はインフレ率とニアリーイコールなので、単純に金利が2パーセントならば、10年で20%上昇していると仮定したら元本は単純に20%価値が下がっているというわけです。ですので数兆円規模の運用となると私のような頭の中がお花畑では、どんどん価値が下がっていってしまうから、早めに売り抜けなければいけません。今100万で買えたものが、10年後には120万になるわけで買えないんです。数兆円の規模の運用ですので、金利だけで数百億になるわけです。しかも原資は組合員から集めたお金ですので利子をつけて返さないといけません。1%の利子をつけるなら単純に1%以上の債権でないとお客様に利子をおつけできません。そこに為替の問題も絡んできます。
という諸々のことで1.5兆円の赤字に陥るというわけです。ですのでフジテレビどころではないんです。そしてこのためにJAなどから1.3兆円ほど増資などの支援を受けたそうです。組合員は怒っているでしょうが、JAなんて政治家の集票組織でもあるわけですから、もっと早くに法律の改定をしてくれるように圧力をかけたらいいのに、素人が運用するから社会混乱の分岐点つまり金利の上がり点をきちんと見極めることができなかったのでしょう。運用のプロと素人の差は損切りがいかに上手かだと言いますからね。
フジテレビは国に守られた放送事業
かたやフジテレビの親会社フジメディアホールディングスです。この会社の柱は、過去ブログでも書いてあるように今や不動産・都市開発事業がメインです。フジテレビはこの会社のメディア事業です。メディア事業は国の免許で守られています。この中居さんの問題はあくまでも個人的な問題であり国が関与するような問題ではありません。さらに言えば、ここまでメディアが盛り上がっている要因は社長の初期対応の悪さだったからです。メディアとしての対応が世間的にいけなかっただけです。ですので、第3者委員会の報告を受ければそれで終わりです。4月から新しくやり直せれます。ですのでさほど世間様には迷惑もかけておらず、記者会見もやり直したのですから何のお咎めもありません。
しかし農林中金は大問題です。農業、林業、漁業の組合員さんから預かった大事なお金を焦がした上にさらにJAに1兆円以上の増資をしてもらっているわけです。JAがそんなことをしていると農業の指導や農機具の販売などにより高く売りつけて、その対価が今の米の高騰に繋がっていると勘ぐられます。この異常な米の高騰は単なる需給バランスの問題だけではないような気がします。
≪斎藤塾長のプロが指南の就活の極意≫