経営戦略とポジション
みなさん~。こんにちは。大阪の就活塾、内定コーチング関西校です。
世界一安い車を目指して作られた車は、インドのタタグループの、「タタ・ナノ」という車です。インドのタタ財閥は、もともとインド人ではありません。シリア人です。異教徒の彼らがインドで商売をさせてもらえたことにとても感謝していてインド社会に恩返しをしたいという思いを常々持っていて、それを孫のラタン・タタにも小さいころからそういう話をしていたそうです。
インドにいれば、こういう光景を日々見ます。こういう光景をみていたラタンはある日、決めます。世界一安い車を作ると。きっかけはこういう光景を見て、インド国民にももっと快適で安全な乗り物を提供しなくてはならない、という使命感からだそうです。
そういう使命感も伴い、イギリスのジャガーやランドローバーなどを買収し技術を手に入れます。そして、日本円で約22万円の車を販売します。22万の車という事で考えてみてください。安全機能はありません。エアバックもありません。ただの屋根付き4輪車です。この初代ナノは失敗に終わりました。大きな理由は、写真にあるように、かれはこのバイクに不便さは感じていません。屋根があり、4輪ではこのようにたくさんの人は乗れないし、燃費も悪い、さらに4輪だと2輪に比べて機動性が低い、渋滞が多い、彼らにとっては安いようで高いのです。日本車が重宝されるのは、頑丈だからです。日本では4人乗りでも現地では6人乗って燃費性は大きく変化しないし、乗り心地はいいですし、費用対効果が高いのです。
さらに、初代ナノの失敗は、車の持つ意味を考えなかったことです。車はある意味、ステイタスシンボルでもあります。そこを間違えて価格に追求してしまったところに大きなミスがあったのです。
アウディーという車は、フォルクスワーゲンです。実はこの車、日本では高級車扱いですが、ドイツではそこまで高級車ではありません。フォルクスワーゲンはドイツの大衆車です。この大衆車の会社が高級車のイメージを持つためにアウディーという会社を買い取りました。しかしあくまでも大衆車の会社です。ですから、価格帯はドイツでは普通の価格帯です。つまりどの会社だって、車をステイタスシンボルととらえた戦略をこうしているのです。そういう意味の日本市場のアウディーの評価は高いです。
今、ナノもこのように戦略を練り直して販売は上向きになっています。経営戦略は大きな投資が必要な分失敗したリスクもあがります。企業選びを慎重に!
≪斎藤塾長のプロが指南の就活の極意≫